雑誌BAILAの「アラサーのハッピーUターン」という特集で取り上げていただきました。
地元に帰るという選択肢を、ライフスタイルとして選ぶ30代が急増中らしいです。

事業を始めてから、少しずつ取材などを頂く機会にも恵まれて、ようやく私はこういう人間です、ということに慣れてきた気がします。
これまでは正直、自分の中で思っていることや考えていることをアウトプットすることに対してハードルが高く感じてしまっていて、少し二の足を踏んでいたのですが、今日から!改めて!少しずつ発信していきたいと思います。

ということで今日はまずUターンについて取材頂いたことの補足的なお話をしようかなと思います。あまりかしこまると難しそうなのでここからは少しラフに綴ります。

私がUターンしたのは、2015年の夏の終わりでした。
実家が商売をしていたこともあり、いつかは地元にというのは漠然と思っていました。本当に漠然と。
しかし自分の心の中でひそかに思っていることって、なんのタイミングで決められるのだろうかと思い始めたのは東京転勤になった頃。
そのあたりから少しずつ、まずは身近な人に対して自分の想いを口に出してみることを始めていた気がします。すぐに決めることはできないけれど、ちょっとずつなら。
意外とありませんか?口に出して言ってみたら状況に変化が生まれること。
もちろん言うだけじゃだめなんだろうけれど、まずは口に出してみる、書き出してみることって、自分の心にも、見えない変化の種を植えていくようなイメージで、大事なんだなあと思っています。

そうしたら当時、東京の企業から香川の官公庁へ出向していた姉が、人づてに出会いをもたらしてくれました。
聞くと、ふるさと東かがわの代表産業である手袋のブランド事業を任せられる人を探している、と。
悩んだ末、やって後悔よりはやらない後悔の方が嫌だ!ということで思い切って飛び込むことにした、という感じでした。

さて、Uターンしてよかったこと、悪かったこと、の質問をいただいたのですが、本当によかったことばかり。
悪いことってひねり出さないとなくて、よかったことはとにかくたくさん思いついたんです。
最初に取材の問い合わせをいただいたとき、ありのままを書いて返信したら、そんなにいいことがあるんですね!と。(笑)

中でも何が一番かというと難しいけれど、個人的には、人らしく素直に生活ができていることはすごくいいなと思います。
地方特有のコミュニティがあまり大きくないっていう要素は一長一短で、人によっては合う合わないもあるかもしれない。
実は私も最初は少し心配していたけれど、基本的には人が好きで、人との距離が近いというのも、慣れると心地いいなって気づきました。
そうなると、昔からある人の暮らしって本来こうなんじゃないか、とか思い始めて、自然な人付き合いができるような気がしているし、それとは相反するようだけれど、そこらじゅうで知り合いに会うこともあるので、少し背筋がしゃんとする気持ちもあって、個人的にはそういう姿勢で生活ができることもいいことだなと思ってます。

田舎っていいですよ。
今日の海の色きれいだよね、とか、今日は星がすごいよ、見て!とか、何気ない日常のシーンでも心がリセットされる気がする。仕事が大変なときも、頭がいっぱいになっているときも、常に癒しをくれる風景があって。
やっぱり自然が身近だと、季節の移ろいが日々肌で感じられて、とても気持ちよく過ごせているなあと。
実際、瀬戸内圏内の移住者って、旅で訪れた瀬戸内海の美しさが忘れられなくて、という人結構いるので、そんな魅力ある土地にいることって贅沢だな~と。ご飯もおいしいし。

田舎は何にもない、ってよく言いがちだけど、よく見たら魅力がそこらじゅうにあるんですよね。都会にも都会の魅力があるし、それと同じように田舎の魅力が。
一見すると何もないように見える田舎は、どんな場所でも幸せを見つけられたり、感じられたりする力がつくんじゃないかなあと思っていて、将来はそういう環境で自分の子どもを心豊かに育てたいって思っていたことも、要素の1つ。同時に、私もそういう人でありたいなと思います。

困ったこととかがないといったら嘘になるけれど、よかったことと比べるとどれも些細なことで。(しかも大体すぐに解決策は見つかる!)
こうやって、言語化して他の人にちゃんと伝えられるほど、いいところを再発見できたこともよかった。

Uターンしたいけど、悩む、迷うっていう方が多いのだと聞きました。
でも、心の中に戻りたいっていう想いがあるなら、私は、素直に従ってみるのもいいのかなと思います。悩まれているポイントを解決する方法が地元には本当にないのか、そのポイントは生きていく上で譲れないポイントなのかとか、考えてみるのもいいのかも。

私、父から自分の故郷は最高の場所だ!って教えられながら育ったんですよね(笑)
それが原体験にもあったから戻ってきた、というのもきっとあると思います。
でも、今は私も同じようにそう感じているし、それを次の世代へ繋いでいきたいと素直に思う。さらにその連鎖を生んでいけたらいいなと思います。
そうやって自分のふるさとを大切に思う心が日本中にもっと増えることになればいいなと思う今日この頃です。

  • 東かがわ市は山も海も近いコンパクトさも好きなところ。お気に入りの山と海の風景を。