白鳥繊維工業株式会社は、生地を裁断して縫い上げる縫製手袋を得意とし、機能性素材のオリジナル開発にも力を注ぐ、生地開発から手袋製造までを一貫して手掛ける老舗メーカーです。

実は手袋づくりにおいては、手袋専用の生地というものはなく、洋服などに使われる数え切れないほどの生地の中から手袋に合うものを選び、つくられていくことがほとんどです。

白鳥繊維工業でも、当初は既製生地からの手袋づくりが主流でした。
しかし、産地の中で手袋メーカーが増えて勢いを増し、競争が激しくなっていく中で、『ものづくりは原点に返れ』という初代の教えに立ち返り、寒い冬に手をあたたかく包む手袋に最適な生地はどんなものだろうか、と生地そのものについても模索するようになりました。

そこで、当時まだ世の中には少なかった機能性の高い合成繊維素材に着目し、手袋のためのオリジナル生地の開発に着手しました。
生地になる前の糸の発掘から、編み方をはじめ、さらには肉の付け方(厚みの設定のようなもの)、起毛のかけ方(ふんわり度合いなど)を調整していきます。感覚の優れた手で感じる肌触りだからこそ、生地作りにもこだわりをもっています。
生地からオリジナル開発をして手袋づくりを行うのは、数ある手袋メーカーの中でも珍しく、ここでしか手に入らない生地もたくさんあるのです。
そうして作られた同社のオリジナル生地を使ったテトの手袋は、やわらかくて軽く、あたたかさも兼ね備えています。

また、職人の高齢化と技術の継承は、全国的な伝統産業においても課題となっていますが、ここ東かがわも例外ではありません。
そんな中、同社では国内の職人は少人数ながら、フレッシュな20代の若手職人と手袋縫製歴55年以上のベテラン職人が協力し合い、団結して日々商品を作り上げています。

日々技術を磨いていく若手職人の仕事を、ベテラン職人がサポートしやすいように、ミシンや作業机が向かい合って配置されています。職人同士のコミュニケーション、協力意識を持った技術の伝承を大切にしているので、日々めまぐるしいスピードで技術の習得、継承がなされているのです。

テトの手袋は若手職人が中心になって作られていますが、ここ手袋の産地で長い時間をかけて培われてきたノウハウが、今まさに引き継がれていく様を垣間見ることのできる、そんなチームの結束力が一つ一つの商品に詰まっています。

 
白鳥繊維工業株式会社
〒769-2601 香川県東かがわ市三本松41番地