KAPOK KNOTコラボレーション手袋
2024.11.20
木の実由来の新素材「カポック」でものづくりを行うファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」とコラボレーションした手袋ができました!
「カポック」という素材を聞いたことはありますか?
「カポック」とは、木の実からとれる天然繊維の名称。
主に東南アジアの熱帯地方に自生する樹木で、強い自生力ゆえに農薬や化学肥料をほとんど使用することなく、太陽と水という天然の恵みで育つ環境負荷の少ない植物です。
木の実から採取するので、木を伐採する必要もありません。
その実から取れるわたは、中が空洞になっている繊維構造によるその軽さが特長で、コットンの1/8の軽さといわれています。
さらに、この空洞が空気を多く含むことで、空気の層が湿気を吸ってあたたかくなる“吸湿発熱機能”を合わせ持っています。そのため、木に実るダウンと呼ばれ、近年ではアウター類の中綿や羽毛に変わるサステナブルな新素材として注目度が高くなっています。
ふんわり軽くて暖かいという特長を聞いて、以前から気になっていたカポック素材。
手袋でも使えないかな・・・と、そんな相談から生まれたコラボレーションでした。
どんなふうにカポックは使われている?
木の実からとれるわたといっても、そのわたが洋服や手袋の中にそのままぎっしり詰まっているわけではありません。
実はカポックそのものは、加工の難しさからアパレル業界ではなかなか実用化されてこなかったものですが、このカポックという素材がもつ可能性にいち早く注目し、素材開発に力を入れてきたのがKAPOK KNOTのブランドを展開しているKAPOK JAPANさんでした。
現地にも足を運び、日本の大手繊維メーカーとの研究開発より、カポック繊維をシート状の中わたに加工することに成功。
KAPOK KNOTは、このシートを中わたに使い、薄くてふんわり軽いのに、ダウンに匹敵するあたたかさを両立するコートやアパレルを展開しているブランドです。
今回のコラボ開発による手袋にももちろん、指先の細かなパーツにいたるまで、このシート状に加工されたカポックが使われています!
デザインは2型
‐シンプルでかっこいいカポックミトン-
カポックがダウンに替わる新素材と聞いて、まず最初に思い浮かんだのはミトンでした。
当初は、中わたを入れるとどうしても厚みが出てしまうのかなと思っていたこともあり、それを活かしてふんわりコロンとしたフォルムでミトンを作るのがいいのでは、と思ったからでした。
実際は、シートが届いて試作をしてみると、想像していたよりもとてもスリムな厚みで、むしろミトンでは少し厚みを出すために中わたの量を増やした贅沢仕様。
それでもすっきりとしたシルエットになっています。
表地には、表面にほどよい立体感のある、植物染料で染めたリサイクルナイロン生地を。
KAPOK KNOTのラインナップにもあるアウターと同じ素材を活用しています。
スマートフォン操作や、細かく指先を使いたいシーンなどにも配慮し、スリットから指先が出せる構造で作っています。
すっきりシルエットとマットな質感の生地の風合いで、ミトンながらシンプルでかっこいい印象に仕上がっています。
テトにとってもメンズのミトンは初めてのチャレンジですが、男性が着用していてもスタイリッシュな印象のかっこいいものに仕上がりました。
ブラック、オリーブの2色展開です。
-上品なダイヤキルト仕様のカポックグローブ-
5本指仕様も、もちろんカポックの中わたを使用し、本体には東かがわにある刺繍メーカーでダイヤ柄のキルティングを施し、上品な印象に仕上げました。
長めのカフスで手首をしっかりあたため、冷たい風が入りにくいデザインです。
表面には、リサイクルポリエステルの生地を使用。
人体や環境への配慮によりフッ素化合物を含まない環境配慮型の撥水加工がされた生地です。
ミトンと同じく、スマートフォン操作や、細かく指先を使いたいシーンなどにも配慮し、スリットから指先が出せる構造で作っています。
ミトンも5本指も、内側には肌触りのいい裏起毛素材を採用。
手袋そのものが多層構造になっていくと、生地の断層も厚みを増していくのですが、手を入れたときにそれを感じさせず、肌当たりがなめらかになるよう、裏地と本体とを別々に作り合体させる手法が、今回の手袋生産を手掛けた福田手袋さんよりご提案いただいた仕様でした。
指先を出せる構造と、この裏地と本体とを別々で作る手法の両立が難しく、何度もパターンを確認しながら作り上げていただきました。
ミトン、5本指いずれも3層構造のため、風の侵入も防げます。
カポックならではの軽さとあたたかさを感じて頂ける手袋に仕上がりました。
<KAPOK KNOTとは>
木の実由来の素材「カポック」を使用したものづくりを行うファッションブランド。
“farm to fashion”をコンセプトに、都市と自然、生産者と消費者、旧さと新しさなど、さまざまな境界線を曖昧にし、両者の良さに学ぶこころよい暮らしの提供を大切にしています。
生産者、消費者、地球環境の視点に立ち、製品ができてから届くまでに関わる人に寄り添ったモノづくりを目指し、日本を代表するサステナブルなブランドを志しています。