bag series
手袋の産地では、その長い歴史の中で“縫う”という技術を核に枝分かれし、発展したものづくりが根付いています。そんな、地域に根付くものづくり文化の奥行きや拡がりを伝えようと、東かがわの老舗バッグメーカー、アーバン工芸株式会社とシンプルで使いやすいバッグの企画に取り組みました。手袋がおでかけを楽しくしてくれるものであることから、バッグも軽やかなおでかけのお供になることをイメージしました。
1.取り組みのキッカケ
東かがわに根付くものづくりの系譜
日本一の手袋の産地、東かがわ市に根付いているのは手袋だけではありません。実は、この地域に手袋産業が根付き発展する過程において、手袋製造で培われた技術を核に、バッグや革小物の製造に乗り出したメーカーも多くあります。
縫製が細かく、難しいと言われる手袋がベースにあったからこそ、発展をさせやすかった背景があるのではないかと思います。東かがわが、縫製のまちと言われるのはこういった特長があるからです。

テトは、この地域に根付く手袋づくりの多様性、その魅力を発信するという活動をしていますが、手袋に由来したり、関係したりして拡がった東かがわのものづくりの奥行きを伝えられたら、と思いバッグを作ってみることになりました。
商品開発にご協力いただいたのは、創業60年以上の歴史を持つアーバン工芸さん。手袋製造会社として創業し、現在はその技術を活かしたレザーバッグを中心に、国内生産にこだわったものづくりを貫いています。

2.開発中の話
小さな配慮の積み重ね
開発をしたのは、レザーとキャンバスを組み合わせたシンプルなバッグ2種類。レザーは、つるっとした方を銀面(ぎんめん)といい、その裏面を床面(とこめん)といいます。
床面は、どうしてもケバ立ちや、革の繊維くずがぽろぽろと出てしまう特徴を持っていて、それがハンカチや衣類などの繊維につくと、取りづらくなってしまうことも。

それは革の自然な特徴のひとつでもあるので、そのままにすることもありますが、テトでは、使ってもらうシーンのひとつに、つけていた手袋をさっと外して入れることなどもイメージしていることを伝えていました。
革を1枚で使う裏面ではケバが出ないよう裏加工をしてもらうことになりましたが、それとは別に、当初は想定していなかったところ、バケツバッグの持ち手の断面から、予想以上にケバが出てしまってバッグの中に落ちる、ということが製造過程の途中で判明したそうです。

“手袋を入れた時に、ケバが出てついてしまうのを気にしていたと思うので、持ち手の断面ひとつひとつに透明の仕上げ材を塗ることにして、それで進めているよ”と教えてもらいました。
ものづくりの現場では、使う人のことを考えた、目立たずとも確かで、小さな配慮がたくさんされています。そういった小さなひと手間が積み重なり、使いやすさだったり、長持ちのしやすさだったりと、私たちの生活を豊かにしてくれているのだと、改めて知る機会になりました。

3.できあがり
軽やかなおでかけのお供に
今回は2種類のバッグを企画しました。
1つは、国産なめしの牛革と、国産のキャンバス生地を組み合わせたコンパクトでシンプルなショルダ―バッグです。外側、革のフラップの下に、さりげなく小さなポケットがついているので、鍵やリップなど、さっと取り出したい小物を収納できます。
ショルダーの結び目をずらせば、長さも調節可能。

2つ目は、ふんわりとやわらかなイタリアンレザーと、国産のキャンバス生地を組み合わせた巾着型バッグです。小ぶりながら、マチがしっかりあるので、必需品がしっかりおさまる収納力です。こういったコンパクトな巾着型バッグには少し珍しく、内側に深めのポケットを2つつけました。バッグの中で混ざってしまいたくない小物や貴重品だけじゃなく、文庫本、さらに、脱いだあとの手袋も入るサイズ感です。バッグの中で他の荷物と手袋を一緒にしてしまうと、毛玉や汚れ、傷みの原因になってしまうので、分けて収納してあげられる仕様にしています。
手持ちもできて、ひもを伸ばせば肩掛けもできます。着こなしを選ばず合わせられるような、ベーシックなカラーリングで仕上げました。

4.今回ご協力
いただいた方々
内海公翔さん(アーバン工芸株式会社)
ほか