neck warmer
手袋とセットで使えるもの。そして、手袋の縫製技術を活用できるもの。子ども用のスヌード以降、検討していてもなかなか実現に至らなかったアイテムです。使いやすさと機能、デザインのバランスの難しさを実感しながらも提案型スタイルを得意とするメーカーとの取り組みで、快適な使用感を実現した納得のネックウォーマーが完成しました。
1.取り組みのキッカケ
手袋からの派生アイテムとは
2019年に商品化した子ども用のスヌード。
寒さ対策の基本と言われる3つの首(手首、首、足首)のうちの、2つをカバーできるようにできれば、と商品化したものですが、そこに引き続き大人用でも首まわりアイテムにトライができたらなあというのは常に検討してきたことでした。

普段、メーカーさんに出入りする中において、“手袋以外のアイテム”で会話に出てくるもの、目に入るものなどにもアンテナを張るように意識はしているのですが、そういったものに出会ったときには、これも自社制作で作れるのか、既に作った実績があるのか、などを尋ねるようにしています。
繊細な縫製技術を要する手袋の縫製は、他のものに転用しやすいとは聞きますが、深堀していくと逆に苦手なこともあったりします。
だからこそ、実際に作ってみどうだったのかなどを知ることで、どういったものに既存の技術がフィットしているのか、そこからどんな転用ができるのか、などのヒントを何か少しでも学べたら、と考えているからです。
もちろん各メーカーさんは長年の歴史の中でいろんなことを既にトライ済みで、失敗だったと語られることもあります。
でも時代背景だったり、求めているお客様だったり、すべての条件が同じように揃うのは、実はあまりないことでもあり、また別の視点から考えたりすることによっても新しいものになるというケースだってあるのではないかと思っています。
そんな流れの中で検討してきた大人用の首まわりアイテム。最初は形を定めることに苦戦しました。
ただ首の巻物といっても、いろんな種類があるからです。
マフラー、ストール、ショール、ネックウォーマー、スヌード・・・。いざどんなものがあるかなとイメージを膨らませていくと、素材や大きさ、長さ、形も本当にさまざまで、デザインも含めて考えると、絞っていくのが意外と難しい。
テトでは、手袋の種類は素材、製法ともに豊富にラインナップしていますが、首用はまだ子ども用のスヌードのみ。
子ども用は、バタバタしがちな忙しい朝や外出前でも、お母さんやお子様自身も、さっと簡単に着脱できるようにイメージをして、頭からすっぽりかぶせることのできるスヌードタイプを選びました。
さて大人用はどこから手をつけようかと考えた結果、提案型の商品開発スタイルを得意とする、サングローブさんに相談することに。
同社のメーカー紹介でもご紹介していますが、手袋以外の周辺小物アイテムの知識も豊富で、首回りもできるでー!と快く返事をくださったこと、ちょうどサングローブさんで作ってもらっているフリースの手袋も、色の組み合わせが好き、とテトではとても好評を頂いているシリーズなので、こちらとリンクするようなイメージでまずは検討してみようと相談しました。

2.開発中の話
使いやすさと機能、デザインのバランスを探って
当初は、子ども用と同じくすっぽりかぶるスヌードタイプで検討し、何度かサンプルをすすめてきました。
しかし、いざテトのチームで試着をすると、頭を入れるときの大きさがちょうどいい、小さい、大きい、などさまざまな意見が出てきてしまいました。
そこへ、個人差のあるヘアスタイルやメイクの有無。
かぶるときに崩したくないよねとか、特に女性は、かぶるときにメイクがつくのを敬遠するケースが多いので大きめに作ることが多いなど、サングローブさん側からのアドバイスも。
何度かサイズ調整を経てみたものの、意外と標準サイズを定めるのが難しいことがわかりました。

また、手袋とイメージをリンクさせる異素材の組み合わせや、表面がのっぺりしないためのステッチなど細かなディティール要望も踏まえていくと、かぶるタイプではなく、前開きで留めるタイプにした方がいいのかもしれない、と。
見た目だけで思えば、筒状のスヌードが前で留めるタイプになるという簡単な変更のように思えますが、実は使うミシンの種類が変わったり、作りあげていく順序が全然違ったものになったりと、設計から作り替えるという、作り手の立場からすると大幅な路線変更。

私たちも学びながらの開発でもあったので、スケジュールは押せ押せになりながらも、根気強く並走していただきました。
そんな変更に加えて、中綿を入れてちょっとふわっとモコっとさせたいんだけど・・・という相談にも、さらなるあたたかさアップと、首回りの生地の立ち感、それでいて着用後の馴染みの良さ、適度な柔らかさなどのバランスなども踏まえて、中綿にはこれがいいんじゃないかと、いくつかの候補の中からぴったりな機能性を兼ね備えた素材を選んでいただき、外側からは見えない部分まで、申し分ないご提案をいただけました。

3.できあがり
冬に最適な機能と首元にフィットする快適仕様
形状は、最終的に前開きで、スナップボタンで簡単に留めるネックウォーマー型となりました。
手袋と同じ生地、アウトドア愛好家にも愛用者の多い、アメリカ発のフリース素材Polartec®(ポーラテック)を全面に使用しています。
表側には毛足の長いHIGH LOFT®、肌に当たる内側にはやわらかなCLASSIC MICRO®を組み合わせ、手袋のmountain fleeceとリンクする、異素材切り替えとオリジナルタグがアクセントになったデザインです。

さらに、提案してもらった中綿は、ジェネサーモネオという機能性のある中綿素材。
アメリカで宇宙服のために開発されたアウトラストテクノロジーと、3Mの不織布技術が融合し生まれた、温度調節機能中綿です。
このジェネサーモネオをフリースの内側に挟みこんでいます。
※中綿の廃番により、2024年生産分からは太陽光発熱、静電気防止などの機能を備えたウォームアシスト中綿へと変更しています。特殊セラミックスと銀イオンを繊維に練り込むことで、冬の貴重な太陽光を吸収し、素早く熱に変換し、保温力を高めます。
あたたかさもしっかり確保しつつ、適度なやわらかさと立ち感なので、くたっとしすぎず、首元にフィットする仕上がりになりました!


4.今回ご協力いただいた方々
内海祐作さん(サングローブ株式会社)
林啓一さん(サングローブ株式会社)
ほか